AI戦闘の作戦は『ドラゴンクエストVII』と同様のものに変更されたが、主人公が女の場合は「ガンガンいくわよ」など女性言葉の作戦名になる。AI については、最初から弱点・特性が記憶されているシステムに変更されたが、クリフトだけは意図的にFC版の評判を考慮されている(登場キャラクターの節を参照)。馬車入れ替えは、『ドラゴンクエストV』以降と同様に、即座に入れ替えおよび総入れ替えが可能になった。
ターン開始時の全体コマンドには従来どおり「にげる」が存在するが、PS版ではキャラクターごとの個別コマンドにも「にげる」があり、個別に「にげる」を選択するとそのキャラクターが行動時に逃走を試み、1人でも逃走に成功すれば戦闘が終了する。
なおFC版では可能だった、味方を攻撃できる「パーティーアタック」の機能は削除されている。
戦歴システム
今までに戦闘で勝利した回数、全滅(敗北)した回数、逃走した回数、今までの最大ダメージなどが記録され、サブ画面でそれらを閲覧できるようになった。それらの値や現在のストーリー進行状況、レベル、装備などによって現在の主人公たちの状態を表す「称号」が決められる。ただしストーリーには影響しない。また、一度ゲームをクリアした冒険の書では、現在の状態を表す画面とは別に、クリア時の状態とクリア時専用の称号を表示する画面が追加される。
移民の町
『ドラゴンクエストVII』に登場した移民の町が再登場した。PS版の移民の町のシステムは『VII』とほぼ同様だが、メモリーカードを使用したキャラクターの交換は今回はできない。特定のキャラクターを集めてできる特殊な町の形態が『VII』の4パターンから本作では7パターンに増えている。PS版での移住希望者には移住に関してストーリー性が追加され、ほかのキャラクターの後を追って自分も移住しようとするキャラクター、ほかのキャラクター移住させることにより自動的に町から出て行くキャラクターもいる。エルフやモンスターなど人間以外の種族や、主人公たちと関連の深いキャラクター(メイ、パノンなど)も移民として登場する。
シナリオの追加
デモ画面として第一章から第四章までの各キャラクターにまつわるプロローグが、またゲーム開始直後には旅立ちより前の主人公の話である「序章」が追加された。
クリア後には、第五章の延長として、真の敵と戦うストーリーである「第六章」(表題無し)が付け加えられた。この章専用のダンジョンが用意され[注 5]、また、新たなプレイヤーキャラクター「ピサロ」、およびピサロ専用の武器・防具が追加された。この第六章は本来FC版にも導入される予定だったが、容量の都合からカットされていた。
その他の変更点
習得呪文・効果値が一部変更され、消費MPも全体的に軽減された。また、移動中の呪文「レミラーマ」、トルネコ用の移動中の特技4種、主人公用の攻撃特技「ギガソード」、上述のピサロ専用の呪文・特技が追加された。逆に、味方キャラクターの変身呪文「モシャス」の使用ができなくなった。また移動中に限り、NPCの呪文を自由に使えるようになった。
FC版においてROMにデータは存在したが登場は没案になっていた海のモンスター9種が、正式なエンカウント対象になったが、「マリンリバイアサン」のみ名前が「マリンワーム」と変更されている。また『ドラゴンクエストVII』に登場したモンスターのうち、トラップモンスター「いどまねき」「いどまじん」、およびそのほかのモンスター19種(第六章用)が本作のモンスターとして新たに追加され、さらに隠しボス3体も追加された。
「ちいさなメダル」は枚数と隠し場所が変更され、褒美が交換方式(メダルを消費)ではなく、『ドラゴンクエストVI』以降と同様に集めたメダルの累計によってアイテムをもらえる方式となった。カジノともども、景品も追加・変更された。
天空への塔など、一部のフィールドや町・ダンジョンの構造の変更も行われた。
ニンテンドーDS版
グラフィックは俯瞰方式の3Dマップなど、PS版をベースとしたものであるが、DSのダブルスクリーンを活かした表示方法が取り入れられている。下画面のタッチパネルによる操作は無い。BGMは内蔵音源だが、『序曲』のみ東京都交響楽団演奏のオーケストラ音源になっている。
非キリスト教圏のマーケットに展開を行うための配慮として、サントハイムの紋章や、墓などの十字架の形が変更されている。しかし、神父のミトラ帽にある十字架は変更されていない。
日本ゲーム大賞2008優秀賞を受賞した。
移動画面
キャラクター操作、コマンド入力は下画面で行う。フィールドマップでは上画面に地図が表示される。町やダンジョンでは2画面双方に地形が映し出され、町では町の中の地図やショップリストを上画面に表示させることができる。ウィンドウでは従来のような文字による情報だけでなく、コマンドやアイテムのアイコン、ステータス画面のキャラクターの顔イラスト[注 6]などの絵表示が多く取り入れられた。
物を持ち上げるアクションは廃止され、べんりボタンで壷や樽を調べると触れることなく即座に破壊するようになり、花瓶や草などは調べても何も起こらなくなった。
過去の携帯ゲーム機版同様に、その場でゲームを中断できる機能(中断の書)があるが、中断したゲームを再開しても「中断の書」のデータは消えず、何度でも再開できる。ただし、町や一部ダンジョンでは中断セーブはできない。
PS版では第五章以降のみの登場だった「ふくろ」は、第一章から登場するようになった。持ち越したアイテムは、第五章で各章のメンバーが全員加わった時に「ふくろ」に追加される。
戦闘
戦闘はPS版を踏襲した完全対面型であり、上画面にはキャラクターの顔とステータス、入力したコマンドや与えた作戦が表示され、下画面にはモンスターの姿や戦闘のメッセージ、HPゲージが表示される。モンスターは攻撃などのアクション時以外にも常にアニメーションしている(麻痺状態でもアニメーションし続ける)。PS版に存在したキャラクター個別コマンドでの「にげる」は削除された。
ステータスに「みのまもり」が追加され、守備力の計算方式が『ドラゴンクエストV』以降の作品と同じ扱いになった(一部のNPCを除く)。これに伴い、FC・PS版のアイテム「ラックのたね」が、みのまもりを上昇させる「まもりのたね」に置き換えられている。代わって「たいりょく」が廃止された。
移民の町
移民の町はシステムが変更され、PS版のように移民(希望者)がランダムに現れることはなく、ステップごとに与えられるヒントを元に移民を探すシステムになった。1人(または1組)が新たに移民になると、それに呼応するかのように自動的に移民が増えていく。最終形態は1パターンのみであるが、その代わりにPS版の各形態の「目玉」のほぼ全てが網羅されている。
また、DSのすれちがい通信機能を使用し、自分の設定したキャラクターをメッセージとともに相手の移民の町へ送ることができる「すれちがい大使」機能が新たに加わった。迎えたキャラクターは、それ以降は送られた側でも使えるようになる。この機能を使って、限定キャラクターの配信が行われたこともある。
その他の変更点
「ちいさなメダル」は取得してもアイテムとして所持することはなくなり、取得数のみがカウントされるようになった。取得数は「つよさ」の馬車アイコンで確認できる。
PS版に存在した各章のオープニングエピソードは廃止された。
第六章のダンジョンの構造が変更され、既存の地形の流用ではなくオリジナルのものとなった。ただし出現モンスターは変更されていない。
世界設定
前作までとは関連の無いまったく新しい世界が舞台である。第一章から第四章まではプレイヤーの移動できる範囲が異なるが、第五章では世界全体が舞台となる。
ゲーム終盤では世界の中央にあるゴットサイドの島を訪れることになるが、この島は気球で上陸することで、専用の拡大マップに切り替わる。また、その島から行くことができる世界として、主人公たちの世界よりはるか上空にある天空と、地底深くにある闇の世界が登場し、闇の世界は昼と夜の区別がない。いずれの世界も「ルーラ」の呪文などで相互行き来ができる。
城・町・建造物
第一章から第四章までの城や町へは、すべて第五章以降でも行くことが可能である。また第二章の城のうち「エンドール」は第三章でも訪れることができる。
( )内の英語表記は北米版での名前。
第一章
バトランド (Burland) - 北の大陸にある王国。第一章のスタート地点。かつては伝説の盾があったが、二代前の王が、ある人物に渡した。
イムル (Izmit) - バトランドの北にある村。ドラゴンクエストシリーズで唯一学校がある。第一章では子供の失踪事件が起きている。第五章では宿屋に泊まると不思議な夢が見られる。
第二章
サントハイム (Santeem) - 世界北西に位置する王国。第二章のスタート地点。第二章の最後で人々が行方不明になり、第五章では魔物たちによって占拠される。城の隣にある城下町サラン (Surene) は、元はサントハイム城の出城だった大きな教会の建物が特徴。
テンペ (Tempe) - 谷間にある小さな村。魔物により村人が生贄にされ、村人自ら「呪われし村」と呼んでいる。
フレノール (Frenor) - 海岸沿いに位置する町。ここではニセの姫一行が出現する。南にある洞窟には重要な品が封印されている。
砂漠のバザー (Bazaar) - 砂漠で開催されるバザー。バザーは第五章までに終わるが、リメイク版では、後にここに移民の町が作られる。
エンドール (Endor) - サントハイム大陸から南東に位置する王国。城の奥には、武術大会や結婚式が催されるコロシアムがある。また、城下町の酒場の地下にはカジノがある。国王は民衆に尊敬されているものの、思いつきで物事を実行する面があるために城の関係者は頭を悩ませることもしばしば。
第三章
レイクナバ (Lakanaba) - 第三章のスタート地点であり、トルネコ一家が当初暮らしている。北にある洞窟には、数々の商人が求めてやまない宝が眠る。
ボンモール (Bonmalmo) - エンドールの北にある王国。国王がエンドールに対して戦争を仕掛ける準備をしていたが、後に和解する。
第四章
モンバーバラ (Monbaraba) - 第四章のスタート地点。夜は劇場が賑わい、マーニャはここのスターとなっている。
コーミズ (Kievs) - マーニャとミネアの故郷であり、かつて二人が暮らしていた家もある。
ハバリア (Haville) - キングレオ城の北の海岸に位置する港町。エンドールへ向かう船が出る。
アッテムト (Aktemto) - 鉱山の町だが、鉱山からの有毒ガスによる死者が次々と出て町は荒れ果てた。第四章では鉱山の途中までしか行くことはできないが、第五章で鉱山は地獄の帝王の神殿に繋がる。
キングレオ城 (Keeleon) - 西の大陸にあるキングレオ王国の城。城門や城内にはライオンの頭部を象った黄金像が飾られている。扉は固く閉ざされており、普通の方法では入ることはできない。王室は隠されている。
第五章以降
山奥の村 (Hero's Hometown) - 第五章のスタート地点である名もない村。外の地域の人々との交流を一切持たない。主人公はここで村の人たちに育てられたが、デスピサロの手によって滅ぼされる。
きこりの家 - 山奥の村とブランカのほぼ中間に位置する、年老いたきこりの住む一軒家。主人のきこりは乱暴な口調だが、勇者たちを無料で泊めてくれる。直接描写は無いが、このきこりは勇者の血縁者らしいことが示唆されている。
ブランカ (Branka) - 山奥の村から南、エンドールの東にある王国。地獄の帝王を倒すための戦士たちがここから旅立つ。
アネイル (Aneaux) - 温泉の町。宿屋が2つあり、町の英雄リバストの墓もある。
コナンベリー (Konenber) - 港町。造船業が盛んだが、町の東にある大灯台から発せられる邪悪な光で船が沈められ、悩まされている。
ミントス (Mintos) - 商売の神といわれるヒルタン老人が住む町。町にある大きな宿屋も彼によって作られた。
ソレッタ (Soretta) - 薬草の一種である「パデキア」の特産地である国。城の周りは農村となっている。近くの洞窟には最後の種が残されているというが、魔物が住み着き近づくことができないため国は困窮状態にあり、王自らが農作業に精を出している。
海辺の村 (Seaside Village) - 海賊が作った小さな村で、今はその子孫たちが暮らす。昼と夜とで海岸の様子が変化する。
スタンシアラ (Stancia) - 北西の島にある王国。城下街・城の中にも水が入り込む水の都であり、町の中では主に舟を使って移動する。舟の武器屋も存在する。この国の王は、自分を笑わせた者に褒美を与えるという御触れを出している。
ガーデンブルグ (Gardenbur) - 岩山に囲まれた国。女王が治めており、教会の老人を除く住人全員が女性である。火山の噴火によって外部からの道が塞がれた。
ロザリーヒル (Rosaville) - エルフや動物などが暮らす村。塔にはロザリーが住んでいるが、通常の方法では塔に入れない。この村の動物たちは、「進化の秘法」によって言葉を話すことができる。
リバーサイド (Riverton) - 世界の南にある島の川沿いにある村。船に乗らないと村に入れず、村の中でも船で移動することになる。気球の研究を行う者が住んでいる。
デスパレス (Dire Palace) - デスピサロ率いる魔物の城。人間の姿で魔物に話し掛けると、強制的に戦闘に突入する。地下牢に数人の人間が囚われている。
エルフの里 (Elfville) - 岩山に囲まれた砂漠の中にそびえ立つ巨木・世界樹の根元にある集落。エルフやキツネたちが住んでいる。
ゴットサイド (Gottside) - 世界地図のほぼ中心の浅瀬に囲まれた島にある神秘的な町。神の声を聞く者が住んでおり、天空に一番近い町と言われるが、闇にも近い町である。この町の周辺には、つの笛のほこらと、岩山に囲まれた巨大で深遠な洞窟がある。
天空への塔 (Tower of Zenithia) - ゴットサイドの南にそびえ立つ塔。天空城へと通じている。資格の無い者を一切受け入れない。構造がFC版とリメイク版とで異なる。
天空城 (Zenithia) - 天空に浮かぶ城。竜の神マスタードラゴンが治めており、天空人やエルフが住んでいる。
希望のほこら (Last Refuge) - 闇の世界にある小さなほこら。天空人が1人住んでいる。
デスキャッスル (Necrosaro's Castle) - 闇の世界の中央にある城。この城を抜けることでデスピサロのいる山へ行くことができる。結界に阻まれており、この結界を守っている魔物たちを全て倒さない限り入ることができない。
登場キャラクター
この節では、ゲーム本編内で語られる設定を中心に記述する。( )内の英語表記は北米NES版 / DS版での名前。〔〕内はゲーム中のステータスウィンドウに表示される肩書き。解説文中の呪文についての
導かれし者たち
運命に導かれた8人の人物。物語の中心であり、味方パーティーに加わる人物である。
主人公 〔勇者〕
物語全般の主人公であり、序章(リメイク版)と第五章以降で登場する。年齢は17歳。かつてブランカの北に住んでいた木こりの男と、天空から舞い降りた天空人の女との間に生まれた混血児であるが、父は雷に打たれて死に、母は天空に連れ戻された。自らの出生の秘密を知ることなく、人里離れた山奥の村で養父母や村人に守られながら育てられたが、魔族のピサロによって村を滅ぼされ、ピサロを倒すためにひとりで旅立つ。天空城には、母親と思わしき女性がいる。
攻撃・回復などさまざまな呪文のほか、勇者だけが使えるデイン系攻撃呪文も覚える。ステータスは特にHPやMP、ちからが高い万能型だが、専門分野では仲間に及ばない。プレイヤーはゲームスタート時に男性か女性かを選ぶことができる。どちらの性別でも覚える技や能力などに違いはないが、女性を選択した場合にのみ装備できる武器防具が存在する。
ライアン (Ragnar / Ragnar McRyan) 〔戦士〕
第一章の主役。バトランド王国の王宮戦士のひとり。男性。バトランド王の命令により、イムルの村で起きた子供失踪事件の真相を追うために旅立つ。事件解決後は伝説の勇者を探すために旅立ち、第五章のキングレオ城にて、キングレオが倒された後勇者(主人公)たちと合流する。
専業の戦士であるためにちからは強いが、すばやさは低く、呪文は一切使用できない。レベルが上がることで仲間の中でHPが最も高くなり、強力な武器・防具を装備可能であり、装備を最高に充実させることで肉弾戦において強さを発揮するが、装備に費用がかかる、レベル50以降にステータスが伸び悩むといった難点がある。リメイク版ではAIシステムが改良された分だけ過半数の仲間のステータスが下げられたのに対し、ライアンのステータスだけはリメイク前とあまり大差がないため、相対的に強化されたと言える。
アリーナ (Alena / Tsarevna Alena) 〔姫〕
第二章の主役。サントハイム王国の姫。格闘技が得意で快活お気楽なおてんば姫で、物語スタート以前に城を出ようとして自分の部屋の壁を壊したことがある。自分の腕前を試したくなって城を脱出し、クリフト、ブライとともに旅に出る。エンドールの武術大会に優勝後、サントハイム城住人失踪の謎を見つけるために旅立つ。第五章ではミントスの宿屋でクリフトの病気が回復した後、デスピサロを探すという共通の目的を持っていることから、主人公の仲間に加わる。
呪文は使えないが、ちからとすばやさが驚異的に伸び、戦闘では誰よりも速く行動する。レベルが上がることで、「会心の一撃」を出す確率が高くなる。盾は装備できず、装備できる武器は少ない。FC版では勇者よりもHPが高く、会心の一撃の出やすさとすばやさの高さから実質的にライアンよりも強くなるが、PS版では耐性防具が追加された代わりに、HPが下げられている。またDS版では「会心の一撃」が出る確率がやや低くなった。早熟な肉弾戦タイプであるため、ライアンと同様にレベル50以降にステータスが伸び悩む傾向がある。
原作者の堀井雄二は、『IV』で最も好きなキャラクターにアリーナを挙げており、その理由を「会心の一撃が出やすいから」、彼女が主人公である第二章の見どころを「武術大会」とし、読者に対して「『ドラゴンボール』感覚で遊んでほしい」と語っている[3]。
クリフト (Cristo / Kiryl) 〔神官〕
第二章のアリーナの仲間。男性。サントハイム城に仕える神官。神学校をトップで卒業した秀才[4]。城を飛び出したアリーナを追って彼女のお供をする。第五章ではミントスにて病に倒れるが、主人公たちの持ってきたパデキアという薬草によって回復し、アリーナとともに一行の仲間に加わる。FC版で一言だけアリーナに惚れていることを匂わせる台詞があり、『4コママンガ劇場』では多くの漫画家からアリーナに片想いしているというネタや設定が付けられ、リメイク版ではその設定が反映されている[注 8]。他にも、高所恐怖症という性格が追加され、台詞の中で、時折新約聖書の言葉を引用するようになった。
回復系の呪文やザキ系呪文を覚える。装備できる武具がかなり充実しているため守備力はかなり高いが、攻撃面ではちからの伸びが鈍く、敵に直接ダメージを与える攻撃呪文を覚えない。しかし、同じ回復役のミネアに比べて素早さが高く、味方全員の守備力を増強する「スクルト」を使える。AIによる学習機能があるFC版で、ボスには絶対に効かない一撃必殺のザキ系呪文をボスに対しても使用するという特徴を持っていた。リメイク版ではAI学習が無くなったが、この「ザキを連発するキャラクター」と前述のアリーナに惚れているという設定が加味され、相変わらずザキ系を頻繁に使用し、さらにいかなる場合でも回復はアリーナを最優先させるようになった。
リメイク版では小説版の設定(17歳)と異なり、酒が飲める成人年齢であるが「下戸」であるため酒が苦手、と語られている。
北米版では宗教問題に配慮し、肩書きが「神官」から "Chancellor" (大臣、秘書などの意味)に変更されている。
ブライ (Brey / Borya) 〔魔法使い〕
第二章のアリーナの仲間。サントハイム城に仕える魔法使いの老人。男性。アリーナの教育係であり、彼女の暴れっぷりに嫁の貰い手がいないのではと嘆いている。城を飛び出したアリーナをクリフトとともに追い、彼女のお供となる。第五章ではミントスの宿屋でクリフトの看病中に主人公たちと出会い、一行の仲間に加わる(出会わなかった場合はアリーナ、クリフトと同時に仲間に加わる)。リメイク版では時代劇やヒロイックファンタジーに見られる典型的な“じいや”キャラクターになり、頑固で毒舌、お国自慢好き、身分階級にシビアといった特徴が台詞上に描写されるが、その背景にはアリーナらへの心配が見受けられることが多い。ミネアからは「お気楽人間に振り回される同士」と共感を持たれる。また独身である事も判明し、ちゃらちゃらした若者やカップルを見るとよく腹を立てる。
呪文はヒャド系呪文や補助呪文を中心に覚える。典型的な魔法使いタイプで、MPやかしこさは高いが、HPとちからが低く、装備できる武器防具が少ない。
トルネコ (Taloon / Torneko Taloon) 〔武器屋〕
第三章の主役。レイクナバの町に住む武器商人。男性。最初は雇われの身であるが、伝説の武器を見つけて世界一の商人になることを夢見ている。やがてエンドールに店を持ち、伝説の武器を探すために一人旅に出る。第五章では港町コナンベリーにて主人公たちの一行に加わる。体格は太り気味であるが、自身では人に言われるほど太りすぎているとは思っていない。リメイク版では、どの街に行っても商売のことを考えてばかりいる根っからの商人となり、会話から幼少期に流行病で両親を早くに失い、若い頃は苦学したという過去が判明した。
アイテムの鑑定能力を持つが、呪文は使えない。第五章では戦闘中にプレイヤーの意図しない行動を起こすことがあるが、『ドラゴンクエストIII』の「遊び人」と違って味方に有用な結果をもたらすものが多い。装備できる武具が多いほか、ちからもそこそこ強く、それなりに前線で戦える。「せいぎのそろばん」と「鉄のまえかけ」はトルネコのみ装備できる武具である。晩成型で、後半からHPの伸びが著しくなり、ライアンのHPを越えることがある。FC版ではちからが上限値に達することがあり、他の打撃攻撃タイプと同等の攻撃力を持つようになる。すばやさや運のよさがライアンより高く、武器防具も豊富なため実質的にライアンより戦闘能力が高くなる。しかしリメイク版では能力の伸びが抑えられ、ライアンに及ばなくなってしまう。その一方でダンジョン探索時に便利な移動補助特技を覚えるようになった。またリメイク版では、トルネコがアイテムを鑑定した時の台詞が、全てのアイテムに対して個別に用意された。
マーニャ (Mara / Maya) 〔踊り子〕
第四章の主役。コーミズ村の錬金術師エドガンの長女で、モンバーバラにて大スターとなっている踊り子である。モンバーバラで働いていたのは旅のための資金集めと、客の中に殺された父の仇であるバルザックが居ないか探すためだったが、ミネアに経過を聞かれて「いい男がいなかった」と答えたり、稼いだ金を使い込んだりと[注 9]、お気楽脳天気な面もある。しかし父の仇を討つという意志は本物で、妹ミネアと共にバルザックを討つために旅に出る。一度バルザックに勝利するも、キングレオに敗れてバルザックを逃がしてしまい、力を付けるために妹とともにエンドールへ向かう。第五章のエンドールではカジノにすっかり夢中になり、負けていたところを「この人に養ってもらおう」と言って主人公の仲間になる。リメイク版では、高いところは好きだが、暗くて湿った洞窟は大嫌いという設定が追加された。またカジノほど顕著ではないが、酒場を好む台詞も多く、かなりの酒豪である。金・カジノ・男に夢中になったり、時々洒落にならないジョークをとばして、ミネアたちから呆れられてしまうことも多い。第四章でミネアと共に毛皮のコートを装備すると、称号が「ゴージャス姉妹」になる。
呪文はブライよりも攻撃に特化した構成で、メラ・ギラ・イオ系と豊富に攻撃呪文を覚えるが、補助呪文はほとんど覚えない。ブライと同じく魔法使いタイプでHPやちからは低いが、MPの伸びは最高を誇る。盾は「はぐれメタルの盾」のみ装備可能。リメイク版ではレベル60以降ちから、すばやさ、HPが驚異的な伸びを見せる。
ミネア (Nara / Meena) 〔占い師〕
粉雪 きくらげ せつごう ラックタイ ドンパ クーラント リコピ サイクル チャドル ドライブス ダウWEB ブイゾーン プレ ドライ ネック ヒーリング ビーチ プードル ルレット スクレ ジーディ ペチュニア イーゼル アブラカ センター ゆり根 アカシジミ クール プロシー キッコ スリー ラケナリ さびいろ しのだけ ハイ ブレー セリーグ タブロー オクラ ナビスト てくぼ ファンネル バイド 光の街 ジャロ ユーロ イギリス ストーリ 気合だ メンズリブ
第四章のマーニャの妹。エドガンの次女。よく当たると評判の占い師であり、エンドールでもファンができるほどである。第五章ではエンドールにて、初対面にも関わらず主人公を勇者だと見抜き、彼の仲間に加わる。姉とは正反対で生真面目な性格で、奔放な姉に振り回される苦労性。このため、アリーナに翻弄されてばかりいるブライとは、似たもの同士なのか意外に気が合う。FC版で「月」を象徴するとされていたキャラクター性がリメイク版では強調され、洞窟などの暗所や整理整頓された狭い場所を好み、人ごみを嫌う台詞が見られる。意外と毒舌である。
基本的に回復・サポートタイプである。回復呪文のバリエーションはクリフトに比べて少ないが、その代わり攻撃呪文としてバギ系呪文を覚えるほか、眠りの呪文ラリホー系、ボス戦で非常に有効な防御呪文「フバーハ」を覚える。FC版においては、力は相応に伸びるがHPの伸びが最終的に仲間の中で最も低くなる。リメイク版ではステータス面が強化され、確固とした戦力として使えるようになった。装備品はクリフトと類似しており[注 10]、相応に重装備が可能。素早さではクリフトに劣るが、力では勝る。占い師だけあって、「銀のタロット」を装備・使用することができ、タロットを使って占うことで数々の効果が現れる。
仲間となるNPC
以下は、戦闘でNPC(ノンプレイヤーキャラクター)[注 3]として導かれし者たちを補助するキャラクターである。なおリメイク版のグラフィックは、FC版のグラフィックや関連書籍でのイラストとは別のものに変更されている。
ホイミン (Healie) 〔ホイミスライム〕
第一章で登場。古井戸の底に住み、人間になることを夢見るホイミスライム。仲間にしなくてもクリア可能。その後第五章では人間となる。人間へと転生した経緯は『知られざる伝説』で詳しく語られている。ホイミンという名前は以後のシリーズ作品にてホイミスライムにつけられるネーミングとして登場する。リメイク版では、ベホイミスライムのベホイミンやベホマスライムのベホマンも登場する(仲間にはならない。ベホイミンは移民として登場、「ベホ移民」という駄洒落もある)。
スコット (Strom / Hardie) 〔用心棒〕
武術大会を観るためエンドールを訪れ、その後は用心棒として職を探している兵士。男性。エンドールの教会付近にいるが、第三章では報酬を支払うことで5日間、トルネコの仲間となる。犬が嫌いなので、犬を連れていると仲間にできない。仲間にしなくてもクリア可能。ほかの章でも登場するが、名前は表されない(ロレンスも同様)。
ロレンス (Laurent / Laurel) 〔旅の詩人〕
エンドールに宿を取っている旅の吟遊詩人。男性。第三章ではスコット同様、報酬を支払うことで5日間、トルネコの仲間となる。ギラ、ホイミ、ラリホーなどの呪文を使うことができる。仲間にしなくてもクリア可能。リメイク版では、詩人ながら歌は苦手という設定が付き、ブライに酷評された(ただし魔術の実力は認められている)ほか、本人も自覚している。
オーリン (Orin / Oojam) 〔錬金術師〕
第四章で登場。マーニャとミネアの父である錬金術師エドガンの弟子。男性。FC版ではマーニャたちとほぼ同世代の青年で、公式ガイドブックでは『ドラゴンボール』のヤジロベーに似た容姿であったが、リメイク版ではやや老け顔の壮年男に変更された。魔法の鍵の扉を素手でこじ開けるほどの力持ちであり、マーニャとミネアの敵討ちの旅を支える。実は当時から魔法の鍵を持っていたことが後に判明する。キングレオ城から逃亡する際、マーニャとミネアを逃がすために死んだと思われていたが、踊り子に助けられ辛うじて生き延び、第五章以降はフレノールの宿屋で療養している。
ホフマン (Hector / Hank Hoffman Jr.) 〔宿屋の息子〕
第五章で登場。砂漠の宿屋の主人の息子であり、馬車の持ち主。過去に冒険仲間に裏切られ、人を信じる心を失っていたが、主人公たちによって信じる心を取り戻す。主人公たちとしばらく旅をした後、ミントスでヒルタンに弟子入りするため主人公たちと別れる[注 11]。離脱後はヒルタンの修行を受けながら、宿屋の店員になる。さらにリメイク版では、魔法の鍵を手に入れた直後に独立し、砂漠のバザー跡地で移民の町を作り、管理する。
パノン (Panon / Tom Foolery) 〔旅芸人〕
第五章で登場。世界中を旅して回っているお笑い芸人。男性。FC版では『ドラゴンクエストIII』の男遊び人のようなクラウンの姿をしていたが、リメイク版では口髭を蓄えた中年男に変化している。主人公の仲間たちの会話では、彼の容姿が普通だったことを意外に思った仲間もいる。主人公たちとはとあるきっかけで旅を共にすることとなる。またリメイク版ではさまざまな町やダンジョンで、地名にちなんだ駄洒落を披露する。PS版では別れた後、移民として登場する。
「まどろみの剣」を装備しており、「ラリホー」の呪文を唱えるなど、相手を眠らせる能力に長ける。通常キャラがまどろみの剣でボスを攻撃したときは「眠り」追加効果が得られないが、パノンの場合だけ有効である。
『知られざる伝説』によると“パノン”という人物は複数存在しており固有名ではなく、苦しい時代に人々に「笑い」を広める者が襲名する屋号のようなものであるとされている。また、原作者堀井雄二が監修するFC奥義大全書や自ら執筆する「堀井雄二のゲーム大好き」(週刊少年ジャンプ連載)でも、「パノン」は「伝説のお笑い芸人」の固有名であるとされているが、世界に1人しか存在しないという点が異なる。
ルーシア (Lucia / Orifiela) 〔天空人〕
第五章で登場。天空人の女性であり、竜の子のお世話係。世界樹の葉を摘みに来た際、世界樹の最上層で魔物に襲われ翼を折られたが、主人公たちに助けられパーティに加わり、彼らの手助けによって天空城へと戻る。FC版とリメイク版では容姿や使用可能な呪文が一部異なる。リメイク版では語尾に小さな「ぅ」がつく不思議少女系のキャラクターとなっており、見慣れない地上の世界に興味を持ち、色々な事柄に感激する。
ドラン (Doran / Sparkie) 〔竜の子ども〕
第五章以降で登場。天空城でルーシアに世話をされている竜の子ども(ルーシアと同い年)。FC版ではモンスター「コドラ」に近い外見であったが、リメイク版では大きく変化している。ブレス攻撃を使うことができる。仲間にしなくてもクリア可能。リメイク版では、六章のストーリーを進めるとパーティーを離れる。
重要人物
ここで挙げるのは、物語の鍵を握る人物や、主人公たちと深い関わりのある人物である。
シンシア (Celia / Eliza)
山奥の村にいる主人公の幼なじみの少女。姿がエルフと似ている。変身の呪文「モシャス」を使うことができる。山奥の村が魔物に襲われた際、主人公に変身して自ら囮となって主人公を助け、命を落とす。
ネネ (Neta / Nina)
トルネコの妻。いつもトルネコのために美味しいおべんとうを作る。第三章ではトルネコが仕入れた商品を他店の定価の1.5倍を超える値段で売り切るという商才を発揮する。トルネコが旅に出ることを知ったときも、笑って送り出す理解ある女性。第五章では預かり所(リメイク版ではゴールド銀行)を営む。
ポポロ (Paulo)
トルネコの息子。
エドガン (Edgar / Mahabala)
マーニャとミネアの父で、錬金術師。オーリンとバルザックの二人の弟子を持っていた。既存の生物を変化させ恐ろしい怪物を作り出すことのできる「進化の秘法」を発掘したが、それを邪悪なものとして封印しようとしたため、それを欲していたバルザックによって殺害された。コーミズには彼の墓があるが、作中では回想なども含めて彼自身が登場することは無い。
パトリシア (Primrose / Mary Lou)
ホフマンの父の宿屋で飼われている雌馬。主人公たちの馬車を牽引する。『知られざる伝説』によると、その正体はドランと同じ天空城に住む竜の子ども。いたずら好きで迷惑ばかりかけていたため、マスタードラゴンによって馬の姿に変えられて地上へと追放され、ホフマンに拾われたとされる。しかし、リメイク版ではホフマンが「仔馬のころから世話していた」と発言しているため、この設定は反映されていない。
ロザリー (Rosa)
ルビーの涙を流すというエルフ。それゆえ、捕まえて大金持ちになろうと目論む人間たちに狙われている。ルビーの涙にはエルフ族の強い想いが込められていると言われており[注 13]、普通の人間では手にした瞬間に砕ける。ピサロによって保護されていたが、エビルプリーストの謀略によって人間に襲われ、ピサロの願いもむなしく命を落とす。それがピサロを復讐と狂気に走らせる要因となった。
リメイク版の第六章では、主人公たちが手に入れた「世界樹の花」の効力によって蘇生。その後主人公たちに同行し[注 14]、「進化の秘法」で怪物化したピサロを説得する。このとき、かつては名前が無く、人間に襲われているときにピサロによって助けられ、ピサロが住んでいた村「ロザリーヒル」にちなんで「ロザリー」と名づけられたことが語られる。
マスタードラゴン (Master Dragon)
天空城に住む竜の神。天空城に居ながらにして、世界の全てを知ることができる。かつて地獄の帝王を封印した。FC版のドットグラフィックでは体色が金色であったが、鳥山明によるパッケージイラストやリメイク版ではグレーである。次作『ドラゴンクエストV』にも登場する。